☆☆☆

よくある学校の風景を見ていたあたしは、誰かに肩を叩かれて目を覚ました。


蛍光灯の眩しさに顔をしかめる。


「愛莉、起きて」


見るとそこには空音がいた。


あれ?


あたし今教室で授業を受けていたんじゃなかったっけ?


一瞬そんな事を考えて、そして我に返った。


そうだ、ここは体育館だ。


上半身を起こし、周囲を見回す。


あたし以外の生徒は全員目を覚ましていたようで、みんな体育館の入口へと視線を向けている。


その表情は不安そうだったり、険しかったりしていてよくない事が起こったのだとすぐに理解できた。


「どうしたの?」


あたしは空音にそう聞いた。


「外から悲鳴が聞こえて来たの」


その言葉にあたしは目を見開いた。


夢の中で聞いた悲鳴を思い出す。


あの悲鳴は現実世界のものだったんだ。