3人で体育館へ戻って来ると、田村先輩の顔色は青を通り越して紫色になっていた。


「田村先輩!」


あたしはすぐに田村先輩の横へと駆けつけた。


「まだ呼吸はあるけれど、危ない状況です」


森本先生が辻本先生へ向けてそう言った。


「薬を」


辻本先生にそう言われてアラタ先輩が紙袋を森本先生に差し出した。


森本先生はその中身を確認して険しい表情を浮かべている。


命を助けるための薬品なんて、きっとないのだろう。


だけど、今は祈るしかなかった。


どうにかここにあるもので命を繋ぎとめる事ができますようにと……。