「誰が保健室まで取りに行くんだよ」


そう言ったのはアラタ先輩だった。


いつの間にかあたしたちの後ろに立っていた。


その表情はとても険しくて、なぜだか怒っているように見えた。


「心配しなくても、アラタ先輩には頼みません。あたしが行きます」


あたしはアラタ先輩を睨み返してそう言った。


「お前、外がどうなってるか知らねぇだろ」


「それは……でも、予想はついています」


さっき食堂まで行って来たことは言えなかった。


「ダメだ。危険すぎる」


そう言ったのは辻本先生だった。


「じゃぁどうするんですか!? 田村先輩はこんなに苦しんでいるんですよ!?」


あたしは思わず声を荒げてそう言った。


苦しんでいる田村先輩をこのまま無視していろと言うのだろうか?


そんな事、できるわけがない!


今は1人でも多く生き残って学校から出る事を考えなきゃいけないのに、見捨てるなんてできない。