「森本先生に相談してみよう」


あたしはそう言うと、空音と2人で森本先生へと近づいた。


「森本先生、保健室にある薬品で代用ができませんか?」


空音が言う。


すると森本先生は驚いたように目を見開いて「保健室の薬品で?」と、聞き返して来た。


そして同時に暗い表情を浮かべる。


「保健室には確かに沢山の薬品を置いてあるけれど、それは応急処置として使えるものばかりよ。田村君のようpに持病を持っている生徒に効果的な薬なんて、置いてない」


そう言い、ゆっくりと首を振った。


やっぱり、そうなんだ。


だけどあたしは引かなかった。


「それでも、痛みや苦しみを軽減させる薬ならあるんじゃないですか?」


「それは……そうね。そういった類のものならあるわ」


森本先生の表情が明るくなる。


「田村君に効果があるかどうかわからないけれど、症状を確認しながら使ってみるのもいいかもしれないわね」


森本先生の言葉にあたしと空音は顔を見合わせてほほ笑んだ。