感染学校~死のウイルス~

田村先輩ななにか持病を持っていたようだ。


「田村君! ここから出たらすぐに薬は手に入るんだから、頑張って!」


事情を知っているのか、赤川先輩は懸命に声をかけている。


しかし田村先輩の顔はどんどん青ざめていく。


「田村先輩の病気ってなんだろう」


空音がそう聞いて来た。


「わからない」


あたしはそう返事をして左右に首を振った。


でも、見ている限りじゃとても大変な病気なのだろう。


たった1度薬が飲めなかっただけでこんなに急変するのだ。


もしかしたら、命に係わる事なのかもしれない。


そんな不安が胸の中に膨らんでいく。


「保健室にある薬で代用できないのかな」


空音がふと気が付いたようにそう言った。


「保健室の薬?」


あたしはそう聞き返した。


「うん。どんな病気かわからないけれど、苦しみを少しでも減らせるようにならないかな?」


田村先輩は横になったままキツク目を閉じている。


本当に苦しそうだ。