感染学校～死のウイルス～

「おい、まさか感染してんじゃねぇだろうな！！」


いつの間に起きたのか、アラタ先輩がそう怒鳴った。


みんなも同じ不安を抱えているのに、どうして余計混乱するような事を言うんだろう。


あたしはアラタ先輩を見て苛立ちを覚えた。


やっぱり、あの食堂にいた生徒はアラタ先輩にやられたのかもしれない。


アラタ先輩の一言のせいで体育館の中に悲鳴に近い声が響き渡った。


赤川先輩以外の全員が田村先輩から距離を取る。


田村先輩は床に横になり、大きく呼吸を繰り返している。


「おかしいわね。今まで発症してきた生徒たちはこんなに急な変化はなかったはずなのに……」


森本先生が田村先輩の隣に座り、深刻な表情でそう言った。


「俺は……感染はしてません」


田村先輩が苦しげな声でそう言った。


「俺は1日1回投薬が必要なんです……それが、昨日は飲めなかったから……」


「え？」


森本先生が驚いたように目を見開いた。