感染学校~死のウイルス~

☆☆☆

異変がおきたのはそれからすぐの事だった。


昼食を終えてそれぞれにこれからどうするかを考えていた時、男子生徒が突然青ざめはじめたのだ。


「ちょっと、どうしたの!?」


男子生徒の隣にいた女子生徒が慌てた様子でそう言った。


その瞬間、体育館の中がざわめきに包まれた。


突然顔色を悪くして倒れる男子生徒に、辻本先生が駆け寄った。


「田村、どうした!?」


辻本先生の言葉にあたしは空音と目を見交わせた。


田村先輩という名前には聞き覚えがあったからだ。


直接会話をした事はないが、入学してすぐの時に生徒会長として体育館のステージに立って挨拶していたのを見た。


「田村君、どうしたの!?」


女子生徒は今にも泣き出してしまいそうだ。


「赤川、少し下がっていろ」


辻本先生が女子生徒へ向けてそう言った。


名前を呼ばれた女子生徒はイヤイヤと首を振りながらも、数歩後ずさりをした。