マットの上に座っていた友菜ちゃんが不安そうな表情を浮かべて立ちあがった。


「確認してくる。生徒たちは一カ所に固まってなるべく動かないように」


辻本先生はそう言うと、バッドを握りしめて歩き始めた。


田井先生と森本先生が慌ててその後を追いかけた。


福田先生は少し遅れて、重たい体を引きずるようにして歩き出す。


頭をぶつけたのがまだ響いているのかもしれない。


「福田先生、大丈夫ですか?」


その姿が弱弱しく思えてあたしは声をかけた。


「大丈夫大丈夫。心配するな」


福田先生はそう言うと、体育館を出たのだった。