猫の湯~きみと離れていなければ~


「そーいや鳳凰様に会ったんだろ? 凰玉はもらったの? 」

「ううん、貰わなかったの。正確にはお返ししたんだけどね」

「は? …なんで? 」


途端に陽向の顔が曇った。


「わたしには必要ないから。あのね、…もっと大切なものに気がつけたの」

「そっか必要ないか…。…じゃあ必要としてる俺は何なんだろーな。ってか俺、ちっとも成長してないし」

「…どういうこと? 」


陽向は苦笑いをしながら、でも少し悲しそうな顔をした。

陽向がわたしにこんな表情を見せるのは初めてで、心配、というか不安になってしまう。