「こら、鈴っ! 鈴、そいつ捕まえてっ! 」
陽向の声にハッと目が覚めた。
あ、わたし寝て
「にゃっ、にゃっ、みにゃあんっ、」
わたしの考えをかき消すように楽しそうな猫の鳴き声が近づいてくる。
ベンチから体を起こすともう直前まで白黒の猫が駆け寄ってきていて、引きずるリードのずっと向こうには焦っている陽向が走ってきている。
見間違えるはずがない。
大きくなっていてもあの猫は……。
「猫ちゃんっ、…流、おいでっ」
わたしが両手を広げると、流はいきおいを落とすことなく胸に飛び込んできた。
…本当に生きててくれた
「ごめんね、…本当にごめんなさい」
あんなに小さかった子猫は、両腕でしっかりと抱きしめられるほど大きくなっていて。
でもあたたかさは変わってはいない。
流はわたしに痛いほどにしがみついて「グルルー、グルルー」と喉を鳴らしてくれる。
あなたはこんなわたしを許してくれるの?
再会と救われた気持ちに涙が溢れはじめた。



