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私は食事を終えて自室へ戻ると、机の上に置かれたままだったスマホに着信があったことを知らせる点滅のランプが光っているのが目に入った。

それを手に取って確認すれば、表示されていたメッセージは3件。
1件は碧からの電話着信で、あとの2件はメールだった。


"マナーモードにしたままだったから気づかなかったな。
今日の私の行動に驚いてたみたいだし、心配してくれてるんだよね……"


そう思いながら、次にメール画面を開く。
その受信メールの振り分けに指定された“碧”のフォルダに1件。
もう1件は指定のない受信BOXに入っていて、私は先に碧からのメールを開いた。


┌──────────┐
 
 無事?
 どうだった?
 今どこ?
 家?
 絶対連絡して!

└──────────┘


碧からの愛想のない文字列に思わず出た笑い声。

『アハハッ 何、碧。片言だし。しかも疑問形多すぎだよ』

私はそのまま返信メールを打ち込む。


┌────────────────┐
 
 無事にマンションに
 着いてるよ〜(o^-^o)
 いくらなんでも迷子には
 ならないし(怒笑)

 今部屋だけど、先にお風呂に
 入らせてね(^人^)
 あとでゆっくり話すから(^-^)/

 心配してくれてありがと(〃∇〃)♪

└────────────────┘


『送信…っと』


"そうだ。一先輩にもお礼メールしなきゃね"


碧に返信のメールを送信したあと、帰り際に一先輩と連絡先の交換をしていたことを思い出した私はそう思いながら未読のメールを確認するために、受信BOXのフォルダを開いた。

送信元に表示されたのはアルファベットと数字が並んだ見慣れないアドレス。


"?"


何気なしに開いたメール。


┌─────────────────┐

 初メール(o^-^o)

 今日はありがとな。
 すげぇ楽しかった♪

 今度は俺から誘っていいかな?

 OKもらう前から聞くのもなんだけど…
 行きたいとことかあったら、
 また教えて。

 今度っつーか、
 俺は毎日でもいいんだけど(笑)

 仏訳、進むといいな。
 本音を言えば、手伝いたいけど…
 月瀬さんは自分の力でやり遂げたい
 かなって、
 勝手に思ってる(苦笑)

 たがら俺は応援p(`-´)q

 ガンバレよ(^-^)v


              煌暉

└─────────────────┘


一先輩からのメッセージがそこにあった。

読み終えたあと、心がまたあたたかくなるのを感じて、嬉しさで頬がゆるむのが自分でわかる。


"この感情が恋?"


『好き……?』

声に出した言葉に胸がキュッと締めつけられるのを感じた。