きみのためのプレゼント

ハルからの返事もとても短かった。ハルが私を誘うことに躊躇ったのは、私が車椅子だから。


それでも、私に悪いという思いを抱えてでもあの子は私に頼んできたんだ。その思いを叶えるのは友達だから当然だ。


「じゃあ、行ってくるね」


翔平がいつものように迎えに来てくれて、私は車椅子に乗る。今日は早く帰らなきゃ。昨日、
翔平と少し話したお父さん。彼の誠実さを気に入って、信頼してくれた。


けれど、二日連続で遅くなると目くじらを立てるだろうし、今日はさすがに怒られるだろうな。


いつも、家族で過ごす日だったから。



「・・・眠れた?」


「うん、大丈夫」


翔平は気遣ってくれているのか、いつもより、口数は少ない。ここから競技場までは、電車を、乗り継いで三十分くらい。最寄駅から一つ目の電車に乗った。


ここは、去年まで階段しかなかった駅だったが、エレベーターができた。でも、この沿線にはまだエレベーターが設置されていないところが多い。エレベーターでホームに着くと、ちょうど、電車がきたみたいだ。


「エレベーター出来てよかったよね。それまではどうしてたの?」


「基本的には、車移動かな。それに俺、引っ越してきたんだよ。あの高校に近い場所に」


だから、すぐに光に会いに行けなかったんだ。と、翔平は言葉を続けた。


電車に乗り込んで、なんとなく重たい沈黙を破ろうとして話しかけたのはいいけれど、やっぱり光くんの話はタブーだと思う。