八月六日、今日は花火大会の日だ。前園光のメールはあれ以上見ないようにした。ただ、明日だというのに、私はまだハルに行くとも、行かないとも返事出来ていなかった。
「本当に浴衣じゃなくて、いいの?」
お母さんが、花火大会だからとしつこく、浴衣を勧めてきたけれど、拒否をした。トイレの問題のせいにしたけれど、本当は少し照れくさいのと、恥ずかしい。
前園光からのメールを見て、少しだけ私の中で芽生えた、モヤモヤと晴れない霧のようなもの。
今まで、藤本くんは私のことを最優先にしてくれていた。本当は友達と帰りたい気持ちだってあるはず。出来なかった寄り道だってしたいはず。
それなのに、彼は何も言わず、いつもホームルームが終われば、私のところへ来てくれていた。
そんな、彼がいつも気にかけていた相手。これからもよろしくと言われるような間柄。それがなんだか二人の親密度を感じさせる文面に思えて仕方がない。
彼には大切な人がいる。それは前園光なのだろうか。ただ、あの声を荒げてまで話してくれた体験談は誰のことだったのだろう。
メールからすると、それは前園光ではないような気がする。
午後四時。家のインターホンが鳴り響き、藤本くんが迎えにきてくれた。花火大会は午後、七時半からだけど、車椅子ということで早めに行こうと彼が言っていたことをすっかり忘れていた。
まだ準備途中の私。代わりに、充が玄関まで行ってくれた。私は、いつもの普段着でいいと言ったのに浴衣を着ないならせめて少しくらいは、おしゃれをしなさいと言われてお母さんに好きなようにされている。
「本当に浴衣じゃなくて、いいの?」
お母さんが、花火大会だからとしつこく、浴衣を勧めてきたけれど、拒否をした。トイレの問題のせいにしたけれど、本当は少し照れくさいのと、恥ずかしい。
前園光からのメールを見て、少しだけ私の中で芽生えた、モヤモヤと晴れない霧のようなもの。
今まで、藤本くんは私のことを最優先にしてくれていた。本当は友達と帰りたい気持ちだってあるはず。出来なかった寄り道だってしたいはず。
それなのに、彼は何も言わず、いつもホームルームが終われば、私のところへ来てくれていた。
そんな、彼がいつも気にかけていた相手。これからもよろしくと言われるような間柄。それがなんだか二人の親密度を感じさせる文面に思えて仕方がない。
彼には大切な人がいる。それは前園光なのだろうか。ただ、あの声を荒げてまで話してくれた体験談は誰のことだったのだろう。
メールからすると、それは前園光ではないような気がする。
午後四時。家のインターホンが鳴り響き、藤本くんが迎えにきてくれた。花火大会は午後、七時半からだけど、車椅子ということで早めに行こうと彼が言っていたことをすっかり忘れていた。
まだ準備途中の私。代わりに、充が玄関まで行ってくれた。私は、いつもの普段着でいいと言ったのに浴衣を着ないならせめて少しくらいは、おしゃれをしなさいと言われてお母さんに好きなようにされている。

