メールを送った後、たまたま指が当たり、受信箱を開いてしまった。そこで気がついた一つのフォルダ。名前はなく、イルカの絵文字だけ。
私は、そんなにメールをする相手なんていないので、フォルダ分けなんてしていない。それなのに、どうしてこんなフォルダがあるのだろう。興味本位でそのフォルダを開いてみることにした。
「・・・前園 光?」
そのフォルダを開けると『前園光』という名前がズラズラと羅列してあった。前園光。誰だろう。全然覚えがないし、記憶にもない。メールの文面を見れば思い出すだろうか。一番上のメールをそっと開いてみることにした。
「いつも気にかけてくれてありがとう。これからもよろしく」
お母さんは洗濯を干すからと、二階に上がったので、メールを口に出して読んでみた。そして、読んだ瞬間、よみがえったのはあの日の記憶。私がハルに言った言葉と同じ。
だとするとこれは藤本くんのメールだ。藤本くんは私とハルとのやり取りを見て泣いていたわけじゃない。この言葉に涙していたんだ。
人様のメールだと気付いたけれど、どうしても気になる。それに、この人のメールが私のところに届いているということは、この人のことも藤本くんの境遇の一部なのだろうか。
そのまま指は次のメールを開けようとしたけれど、思いとどまった。これは、私宛のメールじゃない。藤本くんとこの、前園光という人とのやり取りのメール。
気になるからと言って、これ以上勝手に読んではいけない。結局、ホームボタンを押してメールを見ることはやめにした。
私は、そんなにメールをする相手なんていないので、フォルダ分けなんてしていない。それなのに、どうしてこんなフォルダがあるのだろう。興味本位でそのフォルダを開いてみることにした。
「・・・前園 光?」
そのフォルダを開けると『前園光』という名前がズラズラと羅列してあった。前園光。誰だろう。全然覚えがないし、記憶にもない。メールの文面を見れば思い出すだろうか。一番上のメールをそっと開いてみることにした。
「いつも気にかけてくれてありがとう。これからもよろしく」
お母さんは洗濯を干すからと、二階に上がったので、メールを口に出して読んでみた。そして、読んだ瞬間、よみがえったのはあの日の記憶。私がハルに言った言葉と同じ。
だとするとこれは藤本くんのメールだ。藤本くんは私とハルとのやり取りを見て泣いていたわけじゃない。この言葉に涙していたんだ。
人様のメールだと気付いたけれど、どうしても気になる。それに、この人のメールが私のところに届いているということは、この人のことも藤本くんの境遇の一部なのだろうか。
そのまま指は次のメールを開けようとしたけれど、思いとどまった。これは、私宛のメールじゃない。藤本くんとこの、前園光という人とのやり取りのメール。
気になるからと言って、これ以上勝手に読んではいけない。結局、ホームボタンを押してメールを見ることはやめにした。

