ふと、そんなことを考えていると頭に浮かんだのは、岡部さんだった。私とは違うみんなから慕われた彼女。
そんな彼女は保健室登校になった私を気にかけてくれていた。そして、毎日、休み時間、私への手紙を、先生に託けてくれていた。
最初は、わからなかった。どうして、彼女がそこまで、私にしてくれるのか。
『障害者』という言葉をはっきりと耳にしたことで、私は藤本くんよりも自分のことを『障害者』だと受け入れてしまっていたのだ。
だからこそ、彼女の行動がまるで偽善や同情にしか取れなかった。でも、手渡される彼女の手紙にはその日の出来事、連絡事項。
そして、私を気遣う言葉が書かれている。
「藤野さん、そろそろ会って話をしたらどう?」
岡部さんが保健室に来ても会わなかった。先生はそれを咎めることはなかったけれど、今日は違った。
先生も私の気持ちに気づいてくれたのだろうか。私が、彼女なら自分を任せてもいいと思い始めている気持ちに。
「藤野さん、あなたはきっと、自分で信じてもいい人間を選べると思うの。現にあなたが信頼を置いてる藤本くんは、誰よりもあなたを気にかけていると思う。だけど、藤本くんではどうにもできないこともある。それを任せられるのは同性の友人だと思うの」
「先生、私、怖いんです。元々、友達がいなかったわけじゃない。でも、女同士のいざこざや陰口。仲良くしているはずなのに、心で何を思っているんだろう。そういうことを考えるようになってそれなら誰もいらない。そう思うようになったんです。それに裏切られる辛さは計り知れないから」
そんな彼女は保健室登校になった私を気にかけてくれていた。そして、毎日、休み時間、私への手紙を、先生に託けてくれていた。
最初は、わからなかった。どうして、彼女がそこまで、私にしてくれるのか。
『障害者』という言葉をはっきりと耳にしたことで、私は藤本くんよりも自分のことを『障害者』だと受け入れてしまっていたのだ。
だからこそ、彼女の行動がまるで偽善や同情にしか取れなかった。でも、手渡される彼女の手紙にはその日の出来事、連絡事項。
そして、私を気遣う言葉が書かれている。
「藤野さん、そろそろ会って話をしたらどう?」
岡部さんが保健室に来ても会わなかった。先生はそれを咎めることはなかったけれど、今日は違った。
先生も私の気持ちに気づいてくれたのだろうか。私が、彼女なら自分を任せてもいいと思い始めている気持ちに。
「藤野さん、あなたはきっと、自分で信じてもいい人間を選べると思うの。現にあなたが信頼を置いてる藤本くんは、誰よりもあなたを気にかけていると思う。だけど、藤本くんではどうにもできないこともある。それを任せられるのは同性の友人だと思うの」
「先生、私、怖いんです。元々、友達がいなかったわけじゃない。でも、女同士のいざこざや陰口。仲良くしているはずなのに、心で何を思っているんだろう。そういうことを考えるようになってそれなら誰もいらない。そう思うようになったんです。それに裏切られる辛さは計り知れないから」

