きみのためのプレゼント

保健室登校。私はその提案通りさせてもらうことにした。藤本くんは私の代わりに担任の先生と養護教諭の先生にお願いしてくれた。

すると、二人ともあっさりと快諾。私は次の日から保健室登校をすることになった。


担任の武田先生は、「困ったことがあればいつでも言いなさい」と言うけれど、さすがに男性にトイレのことなど言えるはずもない。


でも、養護教諭の松岡先生は、どことなくうちのお母さんに似ているからか甘えやすかった。


「トイレに行きたくなったら、いつでも言ってね」


今まで出来たことになってる自力での車椅子移動。それも藤本くんがうまく話してくれて、今の私は自力で移動ができないこと。介助がないと何もできないことを理解してもらえた。


藤本くんが私の代わりに話してくれたことに武田先生や松岡先生は、最初驚いていたけれど、それも私の両親に話してくれたように、知り合いの人と同じ境遇の私を、放ってはおけないという風にうまく伝えてくれた。


だから私は、今も保健室で返却された期末テストを受け取り、授業が終わるまで待機させてもらっている。


でも、いつまでも保健室登校でいいわけがない。授業にだってついていけなくなるし、今は授業と言ってもテスト返却が主でそれが終わればあっという間に夏休み。


その間に、二学期からのことを考えるとしても、やっばり誰かに助けてもらわなくては、いけない。


自分で夏休みの間に車椅子に乗れるようになれば、そんなこともないのだろうか。