「お墓ってね、人間でいうところの公園みたいなものらしいよ。だからお墓に行けなくても、願う人の場所に魂は来てくれるんだって」
「そうなの?」
「うん。しかも今日はお盆の最初の日だから、光に会えるんじゃないかなって思ってる。沙織と一緒に『会いたい』と願えば、奇跡が起きるんじゃないかって」
翔平はいつもそう。光くんの話をするとき、最初はとても辛く、苦しそうな表情を浮かべながら話すのに、最後には必ず、前向きな気持ちで話す。
だから、私はそんな翔平を応援したくなるんだ。
「うん、そうだね。あの場所で光くんに会えるかもしれない。行こう、私たちが入れ替わったあの階段に」
そして、やってきたあの場所。何か目印になるものを置いておけば、更に魂は来やすいらしい。だから階段の隅にマグカップを置いた。光くんがすぐに気づいてくれるように。
「じゃあ、一緒に願おうか『もう一度、前園光に会えますように』って」
「落ちなくてもいい?」
と少し翔平を茶化すと、「もう、落ちるのはいいいや」との返し。翔平も決めたんだ。もう、その足で生きていくことを。
私たちの気持ちは同じ。だから、どうかもう一度奇跡が起きますように。階段の上、私は車椅子、彼はそっと私に寄り添うように立ち、目を閉じて手を合わせ、願いを呟いた。
『もう一度、前園光に会えますように』
「そうなの?」
「うん。しかも今日はお盆の最初の日だから、光に会えるんじゃないかなって思ってる。沙織と一緒に『会いたい』と願えば、奇跡が起きるんじゃないかって」
翔平はいつもそう。光くんの話をするとき、最初はとても辛く、苦しそうな表情を浮かべながら話すのに、最後には必ず、前向きな気持ちで話す。
だから、私はそんな翔平を応援したくなるんだ。
「うん、そうだね。あの場所で光くんに会えるかもしれない。行こう、私たちが入れ替わったあの階段に」
そして、やってきたあの場所。何か目印になるものを置いておけば、更に魂は来やすいらしい。だから階段の隅にマグカップを置いた。光くんがすぐに気づいてくれるように。
「じゃあ、一緒に願おうか『もう一度、前園光に会えますように』って」
「落ちなくてもいい?」
と少し翔平を茶化すと、「もう、落ちるのはいいいや」との返し。翔平も決めたんだ。もう、その足で生きていくことを。
私たちの気持ちは同じ。だから、どうかもう一度奇跡が起きますように。階段の上、私は車椅子、彼はそっと私に寄り添うように立ち、目を閉じて手を合わせ、願いを呟いた。
『もう一度、前園光に会えますように』

