きみのためのプレゼント

「翔平、ありがとう。嬉しかった。呼び止めてくれて。それから走る姿を見せてくれて」


家までの帰り道、少し寄り道をしようと立ち寄った浦賀川の土手。ここに来るのは久しぶり。車椅子から下ろしてもらい、二人並んで草むらに座った。


さっき、ハルから連絡が来た。来てくれてありがとうと三浦先輩に告白しましたと。


結果は、会って話すと言われたけれど、どっちになっても告えてよかった。それを話すと翔平も同じ気持ちだった。


「正直、怖かった。変な走り方だったらどうしようとか、転んだらどうしようとかそんなことばかり考えて今まで走れなかったから。でも、あの時はそんなことよりもただ、追いかけることに夢中だった」


「・・・かっこよかった。目が、離せなかったよ。全然、変じゃなかった。ドキドキして、胸が熱くなった」


「本当に、沙織は可愛い。そんな素直な沙織にいつも俺は、支えられている。俺、実は、沙織に話してないことがもう一つあったんだ。聞いてくれる?」


そう言った彼の表情には、決意が込められていて、私は何を言われるのか怖かったけれど、コクンと頷くしか出来なかった。