「あっ、ハルだ!」
私が思いを馳せて、決意を胸に固めている間に、もうハルの出番。ハルはキョロキョロと辺りを見渡してるみたいだ。
競技前なのに、集中力が欠けていることはあまりいいことではないけれど、私のことを探しているのかな。
「ハルー!頑張って!」
大声でグラウンドに声援を送るなんて今までじゃ、本当にできなかったこと。
それでも、ハルにはちゃんとここにきていることを伝えたかったから大声で手を振った。ハルも私の声に気づいて、手を振り返してくれた。
不思議だ。去年の私の場所にハルが立っているのに、あの場所は最初からハルの場所のようで、自分が走ったとは思えない。それくらい、ハルにふさわしい。
始まった。がんばれ、がんばれ、ハル!足に力が入らない分、手に力が入りすぎて、握ったこぶし。
爪が食い込んでいたのかそっと、翔平が私の手に自分の手を重ねてきた。パッと翔平の方に顔を向けると笑顔を返してくれた。
お願いします。ハルの記録を一秒でも短くしてください。
でも、そんな願いもむなしく、ハルの記録は伸びず、結果は五位。今すぐ、ハルのところに行きたいけれど、きっとハルの会いたい人は私じゃない。
私が思いを馳せて、決意を胸に固めている間に、もうハルの出番。ハルはキョロキョロと辺りを見渡してるみたいだ。
競技前なのに、集中力が欠けていることはあまりいいことではないけれど、私のことを探しているのかな。
「ハルー!頑張って!」
大声でグラウンドに声援を送るなんて今までじゃ、本当にできなかったこと。
それでも、ハルにはちゃんとここにきていることを伝えたかったから大声で手を振った。ハルも私の声に気づいて、手を振り返してくれた。
不思議だ。去年の私の場所にハルが立っているのに、あの場所は最初からハルの場所のようで、自分が走ったとは思えない。それくらい、ハルにふさわしい。
始まった。がんばれ、がんばれ、ハル!足に力が入らない分、手に力が入りすぎて、握ったこぶし。
爪が食い込んでいたのかそっと、翔平が私の手に自分の手を重ねてきた。パッと翔平の方に顔を向けると笑顔を返してくれた。
お願いします。ハルの記録を一秒でも短くしてください。
でも、そんな願いもむなしく、ハルの記録は伸びず、結果は五位。今すぐ、ハルのところに行きたいけれど、きっとハルの会いたい人は私じゃない。

