ざわざわ…………ざわざわ





学活の時間。




正直言ってつまんない。






クラスの委員が何かを言っている。






(だいたい声が小さいんだっつーの!…とか通称ガリ勉の人が言ったら恐ろしい想像しか無いわ〜…)


なーんてひとり空想の世界。





「……インコ…………誰かいる人」






インコ。




確かにそう言った。私の耳はインコに敏感になっていた。



「インコの学習をしたいので、誰かいる人いませんか?」


インコ。インコと言っている。






インコ!!!!

スッ…





「はい」







あ、やってしまった。





気づいたら手を挙げている。





(みんな絶対『こいつガリ勉なのに変な趣味だわ』とか思ってるよね…)




わっ


拍手と歓声。



「え、すごーい」
「本当にペットとして買ってる人初めて見た〜!」
「みたいな!」






…………。





「…うん」


ちょっと嬉しくて泣きそうだなんて口が裂けても言えない。

みんなが私の周りに集まってくる。




「インコいるの⁈」


「うん。双子の。ティーピンとピッピーだよ」




「可愛い???」



「可愛いよ」









会話が弾む。





こんな経験、初めて






学校ってこんなに楽しかったっけ?




ティーピンとピッピーのおかげで









少しだけ、





クラスに馴染めた気がした。