「真っ赤…痛そう。」
「尻餅ついた時に腕を床に着いちゃったからかなー…」
その時に、きっと擦りむいちゃったんだろうか。
少しだけ腫れちゃったけど。
でも、さっきよりは痛みが消えて楽なの。
床に座った衝動が、すごく全身に響いて痛くて…。
「ごめんねー…僕がちゃんと見ていたら…」
「ううん。私の不注意だから大丈夫だよ!!」
誰のせいでもない。
それよりも俊が“誰かの借りてこよっか。”一言そう言ってくれただけで、本当に心が救われた。
「あのさ…」
「ん??」
「ジャージ無くなったんでしょ。」
「……うん」
その表情は険しかった。
「ハァ…何で恵里香に嫌がらせするのかな。僕に直接すればいいのに。」
「私は大丈夫だから…」



