「僕ね、目を覚ます前まで暗闇で迷ってたんだ。」 「暗闇…??」 「そう。暗闇で何度も俊って誰かが名前を呼ぶんだ。でも顔に霧(きり)がかかっているせいで、ハッキリ見えなくて。」 「誰だろう…」 急に真剣な眼差しで、私を見つめてくる俊。 それに思わず… ドキドキしてしまった。 「恵里香の声だった。」 「わ、私っ!?」 「こんなことしてる場合じゃない。恵里香に会わなきゃって、一向(ひたすら)暗闇の中を走った。」 「それで…どうなったの??」 私の声は、ちゃんと俊に届いてたんだね…。