キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

ダメダメ! あたしってば、なにを意識しているんだろう。


「て、ていうかさ京ちゃんって日向くんと知り合いだったの?」


ごまかそうと京ちゃんに話を振る。


「うん。1年のときに委員会が一緒だったの」


「そうなんだ」


そう言えば前にそんな話をしていた気がする。


「奥山と吉野って仲よかったんだ?」


「うん。大親友」


「へぇ。たしかにいいコンビかもな」


京ちゃんが、ためらわず『大親友』と言ってくれたのがうれしかったのか、日向くんが『いいコンビ』と言ってくれたのがうれしかったのか、自分でもよくわからない。


ただ、胸の中がじんわりと温かくなった。


「でしょ~? あたしも花凛とはいいコンビだって思ってる」


「だな」


そう言って笑いあう京ちゃんと日向くん。


進級の際、クラス替えもあって不安だったけれど、京ちゃんと日向くんのおかげでなんだかちょっぴり新しい学校生活が楽しみになった。