キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

「そういえば、洸輝のお父さんの会社ってなんていうの?」


なにげなく洸輝に尋ねると、洸輝ではなく林くんが意気揚々と答えた。


「えっと、なんていったっけ……。あっ、そうだ!! FL。FL社っていうんだよ!!」


FL……?


「え……」


ドクンっと心臓が震える。


時が止まったかと思った。


林くんの声がくぐもって聞こえる。


どうしてその名前が……?


嘘だよ。そんな……ありえない。