キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

「だな。いくか」


洸輝が席から立ちあがると、隣の席の女の子たちがいっせいに洸輝に熱い視線を向ける。


そして、その視線はスライドするかのようにあたしに移った。


上から下まで見定められているような気がして、居心地が悪い。


あたしは、逃げるようにレジへ向かう洸輝の背中を追いかけた。


「ごちそうさま。なんかごめんね」


「いいんだって。俺が誘ったんだし」


「ありがとう」


ファミレスを出て洸輝にお礼を言う。


「まだ時間ある?」


「うん」


「じゃあさ、これから……」


そう言いかけたとき、


「あっれー!! 洸輝じゃん!!」


背後からそんな声がした。


振り返ると、クラスメイトの林くんがこちらに向かって歩いてきた。


お調子者でクラスのムードメーカーの林くんは、洸輝と仲がいい。