キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

「でも、洸輝の彼女は大変そうだね。洸輝モテるし、心配が尽きないだろうなぁ」


 冗談っぽくそう言う。


洸輝と付き合えても、洸輝が他の女の子に心変わりしちゃうんじゃないかって、毎日心配しすぎてどうかしちゃいそう。


洸輝には女の子の誘惑も多いはず。


彼女がいても、可愛い女の子に言いよられたら気持ちも傾くはずだ。


洸輝も……彼女を裏切ったりするのかな……?


あんなにも信頼していた親友に、父が簡単に裏切られたように……。


「大丈夫。彼女には絶対心配かけないようにするし、大事にする自信あるから」


洸輝の言葉に胸がキュンっとする。


そんなこと言われたら、どんな女の子だって一発で落ちちゃうに決まってる。


自分に向けられた言葉ではないとわかっているのに、あたしまでドキドキしてしまった。


「……あっ、そろそろ出る?」


正直、この話を続ける自信がなかった。


洸輝ならいつでも彼女ができるだろう。


勝手に洸輝の彼女像を想像して、嫌な気持ちになってしまった。