キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

コソコソ話しているつもりみたいだけれど、その声は全部筒抜けで、気まずくなったあたしは日向くんから顔をそらして正面を向いた。


そのとき、チェックのスカートが視界にうつりこんだ。


顔をあげると見覚えのある顔が目に飛びこんでくる。


「かーりーんっ!! また一緒のクラスだね」


「京(きょう)ちゃん!! 同じクラスになれてよかった~!!」


思わず椅子から立ちあがって、机の前に回りこんで京ちゃんの体に抱きつく。


「まったくもう。花凛(かりん)はあたしがいないとなにもできないんだから」


「頼りにしてるよ~」


京ちゃんはあたしを見て、ふっとやわらかい笑みを浮かべた。