キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

小学生のときも、忙しい母に迷惑をかけたくないからと参観日のプリントをランドセルに隠したりした。


夜だって本当は一緒に食卓を囲みたい。


だけど、そんなワガママなんて言えない。


母があたしのために一生懸命にがんばってくれているのを、あたしは誰よりも知っているから。


……知っているから。


足もとに視線を落として歩いていると、


「――奥山」


突然、すれちがいざまに誰かに腕をつかまれた。


顔をあげると、日向くんが不思議そうな表情を浮かべていた。