キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

「あっ、あたしも窓際の一番うしろの席でよかったよ。1年のときは一番前で先生の目の前だったから」


「マジ? 俺も一緒なんだけど」


「そうなの?」


「あぁ。寝てんのもスマホいじってんのもすぐバレるし、何度スマホ取りあげられたか数えらんねぇし」


「あたしもだよ。前の席って本当に最悪だよね」


「だなー。だから今回は超いい席」


「だね」


日向くんの言葉に大きくうなずく。


日向くんって意外と話しやすいかも。


確実に校内一のイケメンだし、モテるし、派手なグループの中心にいるし、なんとなくとっつきにくい気がしていた。


けれど、意外にも日向くんはフレンドリーだった。


ただひとつ問題があるとすれば、彼としゃべるだけでまわりからの視線が痛すぎること。


「あの子、隣の席だからって日向くんとしゃべりすぎじゃない?」


日向くんファンと思われるクラスメイトの声にハッとする。