キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

地域に密着した会社で、近くに住む老人や子どもを招いて年に数回盛大な無料イベントを開催したり、積極的にボランティア活動も行っていた。


町おこしの成果で移住してきた人には、早く町に慣れてもらえるようにと手助けもしていた。


不良と呼ばれる若者が更生できるようにと、積極的な声掛けも行っているようだった。


町行く人には常に笑顔であいさつすることを心がけていたし、平日、学校へ行かずにプラプラと駅前を歩く高校生には、


『お疲れ様。今日は早帰りかい?』


と親しげに話しかけたりもしていた。


無視されたり、苛立って向かってきた若者もいる。


それでも父は懲りなかった。