キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

『新しいパン? あぁ、それなら明日からだよ。今日からの予定だったんだけど、今朝になって予定が急きょ変わったのよ。ごめんね』


『え!? 明日……?』


『マジかよ……』


おばさんの言葉に、あたしと日向くんは顔を見あわせてブッと噴きだした。


『やっぱりズルはしちゃいけないってことだね』


『だなー』


結局、授業をサボって購買に向かった意味はなにもなかったけれど、楽しかった。


日向くんといると楽しい。


日向くんと過ごす時間が、あたしにとってはすごく新鮮(しん せん)だった。


「でもね、日向くんがお詫びにってパンとオレンジジュースをくれたの」


日向くんに買ってもらったクリームパンを頬張る。


購買のクリームパンを食べるのは初めてじゃないのに、不思議といつもよりおいしく感じる。