キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

「行っちゃわね?」


「えぇ!? ――今から!?」


そう言うと、日向くんがあたしの口をパッと手で覆った。


「そんなでかい声出したら、バレる」


「ご、ごめんね。でも、今は授業中だよ? しかも、廊下に立たされてるのに購買にパンを買いにいったって知れたら大変なことになっちゃうよ」


「大丈夫だって。バレたら俺のせいにすれば」


「そんなことできないよ」


「できるできる」


日向くんはそう言うと、あたしの手をつかんだ。


う、嘘でしょ!?


「――行くぞ」


日向くんに引っぱられて、静かな廊下をできるだけ足音を立てないように気をつけながら走る。


まだ、どのクラスも授業中。


あたしと日向くんの上履きが鳴らす、乾いた音が廊下に響く。