キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

「ごめんな。俺が消しゴム借りなきゃこんなことにならなかったんだし」


頭を男の子に触られたのは初めてだ。


唐突な日向くんの行動に動揺してしまう。


「う、ううん!でも、日向くんがあの紙をすぐに拾ってくれなかったらって思うとゾッとするよ。ありがとね」


あのメモを拾って、先生がそれをクラスメイトの前で読みあげたらって考えただけでも背筋が冷たくなる。


あれだけ見たら、授業中にあたしから日向くんに連絡先を渡してアプローチしているみたいだもん。


すると、日向くんは意外な言葉を放った。


「いや、急いで拾ったのって自分のためだから」


「自分のため?」


「そう。俺、前から奥山の連絡先聞きたいって思ってたから。あそこであの紙取りあげられたら連絡できなくなるし、嫌だった」


「……っ」


日向くんが、どういうつもりでそんなことを言っているのかはわからない。


ただ、心臓がバカみたいに大きな音を立てて鳴りはじめる。