キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

「……まぁ、そういうことか」


「だよな」


「俺、廊下に立ってます」


日向くんがスッと席から立ちあがると、教室中から先生を非難する声が飛んだ。


「ひと言しゃべったくらいで廊下に立たせるとか、ひどくない?」


「自分のミスを指摘されて怒るなんて大人げないよね」


日向くんはそんな声もお構いなしといった様子で、廊下に向かって歩きだす。


すると、先生が先ほどとはちがう優しい表情であたしに話しかけてきた。


「奥山、お前が日向に巻きこまれたとは知らずに責めて悪かったな」


「え……」


「奥山は優しいな。最初から日向のせいだって言えば、先生だって怒らなかったんだぞ?」


一方的に日向くんが悪いと勘違いしている先生。