キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

「右側の問2の答え、まちがってる。さっきもまちがってる部分あった」


「――なに!? そんなはずは……」


黒板に向き直った先生は、しばらくすると引きつり笑いを浮かべた。


「あぁ、あれはちょっとした計算ミスだな……。まぁ、そういうときもある」


「ですね。じゃ、もうこの話も終わりで」


「いや、終わりにはしないぞ。俺は私語禁止と言ったはずだ。それなのに、お前は隣の席の奥山に消しゴムを借りたんだろう? だとしたら、授業中にしゃべったっていうことだ。そうだろう?」


さっさと話を切りあげようとする日向くんに向かって、先生は得意げに鼻を鳴らす。