キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

今までのあたしと日向くんとのやりとりを知らない人が見れば、あたしが日向くんに自分の番号を教えてアプローチをかけているように見えるはず。


そんなことになったらクラスの女子……ううん、学校中の女子を敵にまわすことになる。


どうしよう……。


一瞬で顔面が蒼白になり手が小刻みに震える。


はやく。はやく拾わなくちゃ――!!


一歩一歩、先生との距離が近くなる。


ダメだ。体が動かない。


あきらめかけたそのとき、隣の席の日向くんが床に落ちている紙を拾いあげた。


「おい、日向。お前が持ってるものはなんだ」


先生が日向くんを見つめる。


日向くんの持っている紙を見られたらすべておしまいだ。


ギュッと震える手のひらを握りしめたとき、