キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

「お前、さっきからコソコソなにしてる。隣の日向もだ」


先生は目を細めてあたしたちをいぶかしげに見つめる。


「えっ……なに?」


「ふたりでなにかやってたってこと?」


クラスメイトの視線がいっせいにこちらに向けられる。


ヤバい。バレたかも――。


あわてたせいで手から紙が離れて、あたしと日向くんの席の間に落ちた。


「あっ……」


思わず声が漏れる。


「なんだ、今床に落ちたのは」


先生は身を乗りだして、床の紙に視線を向ける。


そして、最悪なことに教壇から降りてこちらに歩いてきた。


そのとき、ハッとした。


あの紙にはあたしの番号が記されている。