キミを想えば想うほど、優しい嘘に傷ついて。

今度はなんだろう。


『奥山って昼弁当?』


紙にはそう記されている。


チラッと日向くんを見ると、黒板の文字をノートに書きうつしている。


返事……書いたほうがいいよね。


あたしはシャーペンを握り、返事を書くことにした。


『ちがうよー。いつも購買でパン買ってる。どうして?』


タイミングを見はからって日向くんの机に投げ返すと、日向くんがあたしのほうを見て、ニッといたずらっぽい笑みを浮かべる。


び、びっくりした……。


その笑みに不覚にもドキッとして、思わず視線をそらしてしまう。


それからすぐ、日向くんがメモを投げ返してきた。