彼女は照れているのか嫌がるフリをして悲鳴をあげる。
「どうしたの?茉莉ちゃん。素直になれないのはわかっているけどそんなふうに拒否されたら僕も少し傷つくよ」
そういいながらもう1度彼女に手を伸ばす。
すると彼女は僕の手を強く払い涙を滲ませながら睨んでくる。
「いやああっ、来ないで!!
誰かっ誰かっ!!!」
「ふふふ、茉莉ちゃんは少し素直じゃないから少し無理やりされるのが好きだったね。ごめんね、僕としたことがすっかり忘れていたよ。確かにあんな奴の血の付いているシャツじゃいやだろうけど少しだけ我慢してね」
そういい手を3度目だな、と思いながらのばす。
「そこの君、止まりなさい!なにをしているんだ!」
今度は後ろから邪魔が入った。
どうやら茉莉ちゃんが嬉しくて騒いでいる声を近所の人が勘違いして通報をしてしまったらしい。
「茉莉ちゃん、ほらあんまり嫌がるフリをするから勘違いされちゃったじゃないか。ちゃんと僕らは想い合っているしこの手のやつは人間じゃないんだから殺したって罪にならないんだよ。僕はアイツらと話すことはできないから茉莉ちゃんがちゃんと説明して?」