悔しさがこみ上げてくる。

喋れないことが情けない。

拓斗が落ちこんでいる俺の肩に腕を回す。


「県大会、思い切り演奏しろ。関東も全国大会も、お前のピアノ伴奏弾いてこい」

拓斗の優しさが胸に染みた。