あ、あ、あ愛してる

『横浜市の夜景をさ、観覧車から観たかったんだ。……ずっと花音と観れたらいいと思ってた』

和音くんは手話に慣れていないあたしのために、ゆっくりと手を動かす。

バスの中、和音くんに冷たい視線が注がれているけれど、和音くんは全く気にしていない様子だった。

『バンドで忙しい時は自由に出かけることもできなかったし、合唱コンクールの全国大会の日は花音の誕生日で、準優勝だったお祝いも、入院していてできなかったからさ』

和音くんが、あたしの誕生日を知っていたことも、合唱コンクールの準優勝を気に留めてくれていたことも、スゴく嬉しかった。

でもその反面、明るすぎる和音くんの笑顔が何処か無理をしているように感じた。

観覧車に乗ると、和音くんは景色を食い入るように見つめていた。

茜色に染まった横浜の街は、観覧車が頂上に着くと薄く夕闇に染まっていた。