あ、あ、あ愛してる

太ももを叩き、言葉を絞りだす俺の手を強く握り押さえる。

拳骨で叩いた太ももよりも、花音の心配顔に心の方が痛かった。

――花音を全国大会まで行かせてやりたいのに


俺にはこの大会が限界かもしれないと思うと、不甲斐なさで胸が詰まる。

泣きたいような気持ちを堪え、舞台を見つめる。

花音の手が再び俺の手に触れ、そっと包み込んだ。


「かか花音、かーー肩か、か、か貸して」

倦怠感に耐えきれず、花音の返事を待たず凭れ掛かる。

戸惑い「あっ」と漏らした声と少し速い胸の鼓動が聞こえた。

首筋に微かに触れる息使いと整っていく鼓動が心地よく、体の力が抜けていく。

「Alice」

脱力した俺の体を柔らかい感触が受け止め、花音の手が俺の頭をそっと撫でた。


「出ーーば番がちーかかくななったらおおお起ここして」

声と言葉を絞り出すと、目蓋がゆっくりと閉まった。