すごい確信と自信に満ちた言葉だ。

和音くんに言われなければ、「何を偉そうに」と思う。

愛美の目に輝きが感じられる。

和音くんは気持ちを高めさせるのが上手いと思う。

――上手く弾かなくていい。気持ちよく歌えるように寄り添えばいい

愛美の顔に笑顔が浮かんだ。

練習を終え教室に戻る途中、愛美が遠慮がちに訊ねた。

「花音、有栖川さん……吃音、会うたびひどくなってない?」

何となく感じていたことだ。

改めて言われ、あたしだけが感じていたことではないんだと不安になる。


「ただ言葉が出にくいだけでなく、今日は声が掠れ気味で震えてなかった?」


「うん、気になってた。まだ体調がよくないのかな」

LIBERTEのボーカルをしている和音くんは、たぶん自分自身、何か気づいているかもしれないと思う。

無理はしてないのか心配だったし、無理をしないでと祈りたかった。