小さな花に愛を込めて

不思議に思いながらも少し待つと、練習着から制服に着替えた晴空くんが帰ってきた。

「待たせてすまん。お前1人じゃこんなに暗くちゃ、あぶねーだろ。帰るぞ。」

ぶっきらぼうにそう言ったけど、その言葉や仕草から優しさが伝わってくる。

その日、私は駅まで晴空くんに送ってもらった。学校から、駅までの最中はテンパってしまってあまり何を話したか覚えてない。でも、晴空くんに教えてもらったことは鮮明に覚えている。

見かけによらず、甘党な事。小学生の頃は野球じゃなくて、サッカー少年だったこと。そして、陽夏梨のことが好きなこと。