「じゃーーーん!」
麻友さんとパパさんの部屋に入り、ベッドに腰を下ろすと、麻友さんが満面の笑みで、アルバムを開いた。
「こ、これ…誰ですか?」
そこには学ランを着た男の子が2人写っていて、1人は今日みたすばるくんだとすぐわかったけど、隣の爽やか少年は誰かわからなかった。
「これ、葵なの」
「へ?」
思わず変な声が出てしまう。
「いや…あの、これ…黒瀬?」
「そう!中学の頃は結構女子からも人気でね〜同じサッカー部で2人は騒がれてたもんよ〜」
「今の黒瀬と…別人です」
「でしょ〜?」
でも…メガネを外した黒瀬…。
ちょっと面影あるかも。
写真に移る、中学生の黒瀬はすごく笑っていて、とても幸せそうに見えた。
「…黒瀬、どうして変わっちゃたんだろう」
「私も主人もずっとそれで悩んでるの。そんな時莉子ちゃんが住んでくれることになって、何か変えてくれるんじゃないかって」
「それ、この間も言ってましたけど…私なんかが黒瀬を変えるなんて…無理ですよ」
「いいえ。確実に変わってるわよ?明るくて可愛い子が家で葵と関わってくれるようになって葵、表情が柔らかくなったもの」
「そうなんですか?」
「えぇ。またあの子の笑顔が見られたらどんなに幸せか」
写真を撫でながら麻友さんがそうつぶやく。
ずっと嫌われ者だった黒瀬は、誰かの愛する息子で、昔大好きだった親友がいたんだ。
今の暗い黒瀬を作り上げた原因が知りたいし、前の黒瀬に戻って欲しい。
写真の中で笑ってる黒瀬を見て、強くそう思い、麻友さんを見上げた。
「麻友さん、私、黒瀬を笑わせてみせます!」
そして、そう宣言した。



