「莉子ちゃん!」
「…マコトくん」
保健室でぼーっとしてると、黒瀬が出て行って少しして、マコトくんが保健室に入ってきた。
「どうして?」
「担任の先生に聞いたんだ。莉子ちゃん保健室にいるって。黒瀬くんと。そういえば彼は?」
「あぁ。先に教室帰った」
「そっか。よかった」
「ごめんね、心配させて」
「全然。黒瀬くん、すごい殴られてたってみんな言ってたけど大丈夫なの?」
思わずマコトくんから目をそらす。
私、マコトくんっていう彼氏がいながら…
黒瀬とキスしてしまった。
あれが事故だとしても…。
まともにマコトくんの顔が見れない。
「うん、たいしたことないんだけど、一週間安静だって」
目を合わせずそう言う。
「そっか〜」
黒瀬…。
なんであの人のこと教えてくれないんだろう。
親友って。
黒瀬、彼とどんな喧嘩をしたんだろう。
…っていうか…普通、怖がらせるって言ったってキスまでする?!
黒瀬のくせに、なんなのよあれ!
って!
あいつとのキスなんてキスのうちに入らないし!事故だし!
だいたい、気付けばいつも黒瀬のペースじゃない?おかしいよ。
なんで学年1の私が、地味なあいつのこと心配しなきゃいけないのよ…。
「…ちゃん?…莉子ちゃん?」
!!
「あ!ごめん!」
マコトくんに顔を覗かれてハッとする。
「莉子ちゃんも学園祭の準備とかで疲れたんじゃない?黒瀬くんの心配もしないといけないとか…。とりあえず学園祭終わったらゆっくり休んでよ?」
「あ、うん…ありがとう」
マコトくんは優しくて、私のことをいつも第一に考えてくれるかっこいい男の子なのに。
マコトくんと話してて、またモヤモヤっとする。



