「…フッ。顔赤いけど?」
え?
そこには、知らない間にメガネを外した黒瀬が不敵な笑みを浮かべて私を見ていた。
なんでタメ口?
いや同い年だからおかしくないんだけど…。
っていうかなんで私、黒瀬にキスされたの?!
「赤くなんてなってないし!なにしてんのよ!いい加減にしてよ!」
マコトくんになんて言えば…。
よりによって黒瀬とキスなんて。
合わせる顔がないよ…。
「こっちのセリフだから。うるさいんだよ。口開けばマコトマコトマコトって…」
「…く、黒瀬?」
おかしい。
いつもの黒瀬じゃない…黒瀬はこんなこと言うような…こんな目をしてこんなこと言うような人じゃないって…
「大好きな“マコトくん”に会えないようにしてやるよ」
「え?…ちょ、黒っ…」
黒瀬に私の声なんて聞こえてなくて、また無理やりキスされる。
嫌だよ…。
嫌だ…。
なんで?
なんで黒瀬に…。
こんなこと…。
私は必死に手を振りほどこうとするけど、力が全然敵わない。
「黒瀬は…こんなことする人じゃな…」
「フッ。なに言っての?僕はこういう人間だよ。誰とだってできる…誰とでも…」
「やめ…てよ…やめてよ!!!黒瀬っ!!!」
私はとうとう泣き始めて、そう叫んだ。
すると、私の制服の下に伸ばした黒瀬の手がピタッと止まる。
「…最悪…」
黒瀬はそう大きく吐くと、私の上にバタンと倒れた。
ぐっと黒瀬の体重がかかり重くなる。
「黒瀬…?」
「僕は…水谷さんが思ってるような人じゃないです」
え?
黒瀬の言ってることが理解できない。
「…黒瀬、ちゃんと…説明してよ」
私がそういうと、黒瀬は起き上がってメガネをかけ直した。



