声のする方を振り返ると、そこにはクラスメイトの女子が一人、息を切らして立っていた。
「どうしたの?」
「せ…黒瀬が…」
「黒瀬?黒瀬がどうしたの?」
「ケンカしてるの!」
「黒瀬がケンカ?!」
一刻も速く黒瀬のところに向かって状況確認したいけど…
「…でも」
マコトくんのことを見る。
「行っといでよ」
マコトくんは笑顔でそう言ってくれた。
「ごめんね、マコトくん!!本当にごめん!」
私はそう言ってマコトくんを置いて、走って教室へと向かった。
息を切らしながら教室に向かうと、廊下に大きな人混みができていた。
私はその人混みを押しのける。
「やめて」
って泣き叫ぶ声やきゃーという声、男性陣の止める声などが聞こえる。
「黒瀬!!」
そこには殴られてぐったり座ってる黒瀬と、顔を赤くさせて怒り立ってる見覚えのない男の人が1人、川崎と隣のクラスの先生に身動きが取れないように押さえつけられていた。
「あ?何この女。お前の女?」
黒髪の短髪でこちらを睨む、黒瀬のことを殴ったであろう男。
「違う!!!」
「あぁ、そっか。ただの同居人か」
え…?
何言ってるのこの人…。
周りがざわつき始める。
やめて。やめて。やめて。やめて。
「はい、細かい話はあとだ。水谷、黒瀬を保健室に連れてってくれないか?」
私の気持ちを察したように川崎がそう言って、いつもとは違って優しいトーンで私にそう言って、「俺もあとで行くから」といってから、謎の男を2人かがりで職員室に連れて行った。
「莉子!!同居人ってどいうこと?」
「黒瀬と水谷さんって付き合ってるの?」
みんなのいろんな声が聞こえる。
「ごめん、黒瀬…手当てしなきゃだから」
私がそういうと、みんな聞きたい気持ちを押し殺して、なんとか道を開けてくれた。
「黒瀬、立てる?」
「……」
黒瀬は何も言わずに、ゆっくり立ち上がってから、少し私の肩を借りて歩き出した。



