「ガムテープある?」
「そっちもってー!」
「こっちはもう少しで完成だよー!」
クラスメイトの声が飛び交う、学園祭3日前。
教室は、視聴覚室から借りた遮光カーテンや光を遮るダンボールだらけ。
仕掛けを作る男子や、看板を作る女子たち。
「あ、水谷さん、それ持つよ」
男子が私の持つ木の板を持ってくれる。
「あ、ありがとうっ」
私が笑ってそういうと、照れたように笑う。
男ってこういうもんだ。
「ちょっと、あんたたち、莉子はもう彼氏いるんだから、媚びたって付き合えないわよ!」
ユキが男子に向かってそういう。
「え、水谷さん彼氏できたの?!」
「まじかよー…」
「俺狙ってたのに…」
「それに実行委員も黒瀬とかさ…」
「水谷さんと放課後過ごしたかった」
男子がそう話し出す。
「あの…口動かす暇があったら手動かしてください。水谷さん、足りなくなったペンキ取りに行くので一緒に来てください」
「え…」
突然黒瀬がやってきて驚く。
学校で話しかけないでって言ってるのに…。
「おい、ガリ勉のくせに調子乗ってんな」
「水谷さん、気をつけてよ?こういう根暗な奴に限って、あぶねーから」
男子たちが口々に黒瀬のことを悪く言う。
「あぁ、大丈夫だよ…。いってくるね」
私はみんなに笑ってそう言ってから、先に教室を出た黒瀬の後を追いかけた。



