「コレ」
マコトくんはそういうと、色あせたアルバムを私の近くに持ってくる。
「なにこれ」
「フフッ。衝撃映像だよ」
マコトくんはいたずらっぽくそう笑うと、卒業アルバムらしきそれを開き、あるページを私に見せた。
「これ、誰だと思う?」
マコトくんが指さしたその人は、失礼だけど、すごくぽっちゃりしてて、メガネで天パの男の子。
「わかんない…誰だろう」
どう見てもイケメンとは言えないアルバムの向こうにいる小学生。
「これ、小6の俺」
「はぁ?!?!?!?」
マコトくんの言ってることが信じられず思わず口が悪くなる。
「マコトくん?!全然違うよ!」
「名前んとこ、見て」
「長谷川 マコト」
「俺」
マコトくんはドヤ顔で自分に親指を向けてそういう。
いや、嘘だって。
私は何度も写真とマコトくんを見比べる。
別人だよ…。
「昔こんなんでずっといじめられてたんだ。だから、好きだった女の子にも振られて。絶対みんなのこと見返して、めっちゃかわいい彼女作ってやるー!って思ってたんだ。それで高校は知り合いの少ない今のところに入って…」
「そうだったんだ…」
本当に衝撃映像だよ。
「それで…莉子ちゃん見たときはこの子だってすぐ思ったし、大切にしたいって思ったよ」
「マコトくん…」
「だから黒瀬くん見ちゃうと、昔の自分と少し重ねちゃって…余計ムカついちゃうんだよね」
「そうだったんだ」
「うん。この写真、誰かに自分から見せたのなんて莉子ちゃんが初めてだよ」
「…打ち明けてくれてありがとうっ」
「ううん。だから…こんな俺だけどこれからもよろしくお願いします」
「うんっ!」
痛みを知ってるからだからできた優しさとかぬくもりだったんだ。
彼を悲しませちゃいけない。
傷つけちゃいけない。
強くそう思った。



